2017年10月19日木曜日

メンテナンス地獄に陥った自動車に物思う

哀しいけれど、エンジンルームは不要のモノで、メインは車室である。

空気抵抗と前面投影面積を勘案し、騒音低下と重なると、

エンジンは下へ、前へ、奥へ、、、と押しやられて行く。

結局、スカスカだったエンジンルームは、

防音材として併用したり、吸気音削減の為のギミック追加、

熱効率追求の過給機構追加、吸気冷却機構の追加、

軽量化の為に外寸削減、求められるスペースユーティリティ、、

最初にこの悪夢の代表になったのはZ32フェアレディのターボモデルだった。

プラグ交換3時間コース、インタークーラー交換一つとっても、

干渉で他の部品を取り外さねば、分解出来ない奴の代名詞になっていた。

今では、マウント交換の為に、色んな部品取り外して、再組立てせにゃあならん。

狭くなったエンジンルームには熱が籠るので、樹脂部品の劣化が急速に進む。

取り外す部品は熱で加速した加水分解の結果、割れ、崩壊するのだ。

軽量化の為に金属パーツが樹脂部品になっていくから、

最近の車は整備する度に、要交換部品を再生産しているので、

崩壊した樹脂部品をメンテする手段を擁しておかねば、

整備費用を押し上げてしまう。


まぁ、どっちにしても、CANBASで接続して、オイル交換しました!とか、

分解して一時断になった部品は正常です!ってエラー消さにゃあならんから、

付随行為が異様に増大し、今も増大し続けて居る。


六角ボルトから、六角穴付ボルトへ、そしてトルクスへの進化は、

ボルト脱着時の舐める現象を追放すべく進んできたが、

同時に樹脂部品の多用は、

樹脂の加水分解進行後の分解時、発生せざるを得ない部品崩壊という形で、

製品の寿命を押し下げ、メンテナンス費用から見た製品寿命は収束してしまう。

部品は交換せず、ほぼ同時に想定された寿命を迎えるので、そこで終わらせる。

そんな日本車の独特な設計思想は、

部品交換を重ねて長期に渡って性能を維持する欧米車とは相容れぬものだったが、

欧米に進出した日本の部品メーカーが供給する部品を取り入れる事で、

欧米車も日本車と同じ、メンテナンス性に目をつぶり、想定寿命を迎えると崩御します!という事になってしまった。

メンテナンス?無茶苦茶掛かりますよ?と説得するのも簡単だ。

納得しない顧客の前で樹脂製部品を取り外してみればいい、

高温にさらされるエンジンルーム内で加水分解が進行した樹脂製部品は崩壊する。

多用されるのは耐熱性の高いポリプロピレン樹脂だが、接着はナカナカ出来ないのだ。

その結果、部品交換すればまだ使えると思っていた人々は、

維持を諦めて、新車を購入してくれる。

バブル期に過剰品質が進行し、国産車も整備して使うという風潮に陥りかけたが、

樹脂を多用する事で、使い切り!する従来の設計思想に復帰し、

トヨタのカイゼン導入と共にソニータイマーも導入された。

欧米も、日本車に倣って、メンテナンスで維持する!から使い切り!に方針転換した。

故に、長期保証入れて、新車を購入する!という考え方が一番良いのかもしれない。

延長保証に入れる高年式中古車が一番おいしいかもしれんのだが、、、

0 件のコメント:

コメントを投稿